H∞制御理論に代表されるロバスト制御は、制御対象をモデル誤差や外乱影響を考慮したモデルで表現し安定性、応答性を時間領域や周波数領域を含めて設計するものである。 本研究において、最適制御とカルマンフィルタに代わるH∞制御によるフィードバック系と、変針秤性を向上させるフィードフォワード系をもつ二自由度制御系、最適な変針軌道を実現する参照針路、および従来の適応制御と異なる同定手法からなる新制御方式を提案し実船試験で検証した。 1.2 研究目的
オートパイロットは、これまで操船者により単体で使用され船首方位を一定に保つ制御を主に行ってきた。近年、船の位置をGPS等でフィードバックして、目的航路に制御する航法装置とリンクして使用されるようになった。この状況において、オートパイロットにはコース上を正確にトラッキングするための変針特性の向上が要求されている。
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